このろくでもない、すばらしき世界?
この国の民はコンカツに熱心だ。
若者は、成人したその日からパートナー探しに奔走する。
時には仕事を口実に相手を誘い出し。
朝一刻から思いを寄せる相手の元へワープする。
そんな彼らに抗うことは難しいが、自らも参戦することは容易い。
私は、2人の花嫁候補を見つけていた。
1人はアデリン。
率直に好みである。眼鏡を外すと一層可憐になるのを彼女は隠している。負けず嫌いなのだ。
もう1人はアルシア。
グリニーの導きと父によく似た瞳を持つこの人が私の幸運の女神なのかもしれない。
しかし、私は出会ってしまった。
彼女はグリゼル。
偶然この国に立ち寄った旅人である。
酒場で会ったその日、まだ何も知らないこの年上の人に思わず帰化申請書を渡していた。
運命とは、突然にやってくるものらしい。
ただ、私はまだ幼少期から気にかけていた2人のことを諦めきれないでいる。
この国が一夫多妻制であれば…。
しかし。シズニの神と彼女には、わかっていたようだ。
私が誰を選ぶかと言うコトを。
※BO●SのCM風にお読み頂けると幸いです(なぜ)